モンテッソーリ教育に興味があって、息子の幼稚園選びをしているのだけど、後悔したという話も耳にするので、少し心配で・・
幼稚園は選択の幅も広いので迷ってしまいますよね。
特にモンテッソーリの情報は少ないのでなおさら。
私が学校現場でお母さん方から聞いた声なども織り交ぜながらお話したいと思います。
モンテッソーリでどんなことに後悔するのか?デメリットを解説
モンテッソーリ教育にはメリットがたくさんあります。でもその一方で、後悔してしまう人もいることは確か。そのデメリットはどんなことなのか?を明らかにしたいと思います。
園によって質にばらつきがある
モンテッソーリ園の質はその園によって大きく異なることがあります。
その理由は、幼稚園では経営者の思いが強く反映されやすいので、一口にモンテッソーリ園といっても、その取り組みの様子は様々なのです。
また、モンテッソーリ教師の資格については国際資格、国内資格とあるのですが、モンテッソーリ園の教師になるためにこれらの資格が必ずしも必要なものではないこともその理由の一つです。
ある園では、教師みんながモンテソーリの資格を持って教えているのに対してある園では、園長だけが資格を持っていて、他の教師は持っていないということも起こりうるのです。
なので、どうしても園によってモンテッソーリ教育の質にばらつきがあって、後悔の元になってしまうというデメリットがあります。
本当に育っているのかわかりづらい
モンテッソーリ教育がいい!と聞いてモンテッソーリ園に入れたものの、効果があるのかどうかわかりづらいと後悔することもあります。
なぜなら、普通の園とモンテッソーリ園の両方を同時に経験することができないので、モンテッソーリ園ならではの成長として見極めることが難しいからです。
例えば、モンテッソーリ園に通うようになって、家でもすごく集中力がついたなと実感したとします。
でも、それがモンテッソーリ教育のおかげなのか、普通の幼稚園でも同じように成長したのか判断することは難しいですよね。
このような理由から、モンテッソーリ園で本当に育っているのかな?と後悔してしまうことがあるのです。
自宅でどうしていいのかわからない
モンテッソーリ園に通っているときは安心していられるけど、家に帰るとまったく環境が整っていなくて、どうしていいのかわからない!と後悔してしまうことがあります。
というのは、園では一般的な幼稚園や小学校とは違った方法で教育が行われるため、家では少し工夫が必要になり、その環境作りなどに不安を感じてしまうのです。
この写真のようにモンテッソーリ園で使う教具などを例にとってみても、普段子どもが遊ぶようなおもちゃなどとは違っていますよね。
ですから、モンテッソーリ教育の知識が少ない状態で、モンテソーリ園に子どもを通わせると、後悔してしまう可能性もありますね。
モンテッソーリの教具の特徴はこちらで確認できます。
子どもの協調性が心配
実際にあるお母さんから聞いた話です。
子どもをモンテッソーリ園に入れたたのはいいけど、友達との関係作りが伸びないまま小学校に上がってしまい後悔したというのです。
モンテッソーリ園では、一人で作業に集中する時間を大切にしているので、友達作りの力を大きく伸ばしたい!というニーズには応えきれない部分もあるのでしょう。
モンテッソーリ園で用意されている教具は、基本的には一人で作業に集中するものが多いです。
園の方針にもよりますが、一般の幼稚園に比べると、大勢の仲間との関わり合いの時間は少なくなってしまうことが予想されますね。
ですから、子どもの協調性の面で、後悔したという気持ちになってしまうのだと考えられます。
時間の区切りが心配
モンテッソーリ園の活動の仕方は独特なので、時間の区切りを考えながら行動する意識が育たずに後悔したという話も聞きます。
実際にモンテッソーリ園の多くでは、細かい時間割のようなものはなく、大きな時間の枠のなかで子どもたちの自主的な活動が行われているので、細かい時間の概念は育ちにくいと感じる可能性があります。
活発な子には向かないかも
私が一年生の担任をしていたときに受け持った子どものお母さんからこんな話を聞きました。
「モンテッソーリ園に通っていたので、外で遊ぶ時間が少なくてうちの子にはちょっと欲求不満気味だったのです」というのです。
後悔とまではいかないまでも、少し不満が残っているような感じでした。
モンテッソーリ園では、外遊びの時間がないわけではないのです。
でも、室内で教具を使って個人個人が集中して活動することが多いため、一日中外で遊びたがるような子どもには、物足りなく感じてしまうところはデメリットになることも考えられますね。
モンテッソーリの小学校が少ない
とても注目を浴びているモンテッソーリ教育ですが、日本では小学校はまだ数校に限られています。
そして、その数校も学校法人ではないため、小学校の卒業資格を得ることはできないのです。
このことも1つのデメリットとなっています。
学校法人になれない理由としては、モンテッソーリ教育をそのまま実践しようとすると、どうしても文科省の基準に合わないため、学校として認可されないのです。
したがって、小学校が少ないというよりも正確には、文科省から認可された学校法人としてのモンテッソーリ小学校は無いということになってしまいます。
(参考)
The Montessori School of Tokyo
Maria Montessori Elementary School
東京モンテッソーリスクール
公立の小学校に上がると友達がいない
公立の小学校に上がった場合、同じモンテッソーリ園からの友達がいないことが多く、後悔したという話もあります。
モンテッソーリ幼稚園は数も場所の限られているので、自宅から離れたところに通わていることが多いと思います。
そのため、近所の公立の小学校に上がった時には、同じ幼稚園からの友達とはバラバラになってしまうのです。
幼稚園を決めるときからわかっていたこととはいえ、いざ小学校への入学が近づくと、後悔の気持ちが湧いてくることもありますよね。
モンテッソーリ園選びのポイント
モンテソーリ園に関しては様々な点で後悔してしまうこともあります。
でも、モンテッソーリ教育自体は、子どもの力を素直に伸ばすことのできる素晴らしい教育です。
子どもにとってのメリットがいっぱい!
それでは、どんなことに気をつけてモンテッソーリ園を選んだらいいのでしょうか?
そのポイントを4つほどご紹介します。
- 自分自身でモンテッソーリ教育を理解する
- 複数の園で体験する
- 指導者の質を確認する(免許や経験)
- 家族や周囲の理解を得る
自分自身でモンテッソーリ教育を理解する
自分自身でモンテッソーリ教育について、勉強をしてしっかりと理解しておくことが大切です。
前の章に示した後悔のいくつかは、自分自身でモンテッソーリ教育を理解していないことが原因になっているからです。
例えば「本当に育っているのかわかりづらい」ということについては、モンテッソーリ教育によって自分の子どもがどんなふうに成長していくのかということを理解していれば、普段の生活のなかで、モンテソーリ教育による成長を実感できるものです。
ですから、モンテッソーリ園に通わせることを考えているときには、自分でもしっかりとモンテッソーリ教育について学んでおくことが大切でなのです。
>>モンテッソーリ教育はこの本でわかる!
複数の園で体験する
モンテッソーリ園に限らず、幼稚園を選ぶときには、複数の園でその様子を体験してみましょう。
なぜなら、幼稚園は経営者の思いが反映されやすく、その思いが子どもへの教育のスタイルに現れやすいからです。
同じモンテッソーリを特徴にしていても、経営者のモンテッソーリへの思いはまちまちです。
住んでいる地域にもよりますが、できれば複数の園で体験してみることをおすすめします。
指導者の質を確認する(免許や経験)
モンテッソーリ園を選ぶときのポイントとして、教師の質を見ることも大切です。
というのは、モンテッソーリ園の教師になるために、モンテッソーリ教師の資格は必須ではないからです。
ある先生は国際資格を持っていたり、ある先生は国内資格、そしてある先生は幼稚園教諭の資格だけというように、持っている資格は先生によってさまざまなのです。
もちろん資格を持っているから素晴らしい先生とはいえませんが、知識を身につけていることは確かです。
また、その先生がどんな幼稚園で仕事をしてきたのかという経験も大切になってきます。
こうした資格や経験を含め、働いている先生方の様子も事前に知ることができるといいですね。
モンテッソーリ教師の資格に興味がある方はぜひこちらの記事をお読みください。
家族や周囲の理解を得る
子どもにモンテッソーリ教育を受けさせるときには、家族や周囲に理解してもらうことも大切です。
特に家族が理解することは最も大切ですね。
なぜかというと、モンテッソーリ園での教育の効果を高めるためには、家庭環境もある程度整える必要があるからです。
例えば、子どもが遊ぶおもちゃや、そのおもちゃを片付ける棚などを整えることも効果的です。
また、子どもが遊んでいるときの大人の声の掛け方なども、園の方法に合わせていくことが、教育効果を高めるポイントになります。
そして、近所の友達と遊ぶときなどは、相手のお母さんにモンテッソーリ教育のことを少しでも知っておいてもらうと、子どもどうしの関わり方もよりスムーズになることでしょう。
こうしたことから、モンテッソーリ園に通わせるときには、家族や周囲の理解を得ておくことが大切になるのです
まとめ
あなたの子どものためにも、しっかりとした価値観をもって、幼稚園や小学校を選びましょうね。
モンテッソーリの場合は、園の方針がしっかりしているか? そして指導者の質はどうか?
この2つを特に大事にしながら探すことがポイントです。
日本のモンテッソーリ教育の第一人者と言われる 故 相良敦子先生の本で、私が教育現場にいるときにとてもお世話になった本です。小学校でも役に立つお話がたくさん詰まっています。
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