モンテッソーリ教育に興味があるのだけど、近くに通える幼稚園がないので、せめて家でモンテッソーリの教具をそろえてみたいと思っているのだけど、どんな教具がいいのかな?
最近では自宅でもモンテッソーリ教育を実践している方も多くなりましたね。
そこで大切になってくるのが、専用の教具です。
もちろん、家にあるものを使ったりして、自作することもできます。
でも、まずは市販のものを購入してみて、その良さや意図などを感じ取ってみるのも大切なことと思い、ここではインターネットで購入できるものを選んでみました。
モンテッソーリ教具とは
イギリスのウィリアム王子とキャサリン妃の長男ジョージ王子が通い始めたことでも脚光を浴びたモンテッソーリ教育。
日本でも将棋の藤井聡太さんがモンテッソーリ教育を受けていたことが話題になったりもしていますね。
このモンテッソーリ教育の創始者であるマリアモンテッソーリは、あるとき子どもが手を使いながら深く集中している姿に感動を覚えます。
そして「なぜ?」という疑問からスタートし、科学者であったマリアモンテッソーリは、生理学や医学、生物学などの分野の知識を総動員しながらその意味を理解したのです。
こうして創り出された教育方法が、モンテッソーリ教育の原点となっています。
だからこそ、手先の動きを重視した教具がたくさん生み出されたのですね。
この教具で遊びながら成長を促していく活動のことをモンテッソーリ教育では「おしごと」と呼んでいます。
ですからモンテッソーリの「教具」は「おしごと」の道具ということになります。
モンテッソーリ教育の5つの領域
モンテッソーリ教育では、子どもへの教育活動を5つの領域に分けて整理しています。
5つの領域
- 日常生活の練習
- 感覚教育
- 言語教育
- 算数教育
- 文化教育
この5つの領域について、モンテッソーリ幼稚園などでどんな活動が行われているのか、簡単に説明します。
日常生活の練習
衣服の脱ぎ着やアイロンがけ、掃除、洗濯など、日常の生活でおこなわれていることを練習する活動です。
<感覚教育>
五感が発達する3歳〜6歳に重視している教育分野です。積み木などを使って物の大小などを見分け視覚を養う活動や、ベルなどを使って音の高低を感じ分け聴覚を養う活動が行われます。
<言語教育>
絵や文字、話し言葉などが書かれたカードを使って、文法や文の構成を考えて言語の発達を促す活動が行われます。
<算数教育>
モンテッソーリでは数を表す要素として「物量」「数詞」「数字」の3つで表しています。
物量:具体的に感覚で捉えることができるもの
数詞:物量を言い表すために使うもの
数字:書き表すときに使う記号
こうした要素を身につけるために、実際の活動では、10進法のビーズや算数棒や数字カードなどの教具が使われます。
<文化活動>
動植物、音楽、体育、美術、地理、歴史など多岐に渡った分野の学習をします。
実際の活動としては、動植物の絵カードを使ったり、世界地図や日本地図のパズルを使ったりしています。
モンテッソーリ教育の教具を選ぶときに大切なこと
モンテッソーリ幼稚園では、厳しい資格試験をとおして教育を受けた先生が、整えられた環境の中で幼児たちへの教育を行っています。
そのため、自宅でモンテッソーリ教育を行いたいなと思ったときには、子どもにどんなタイミングでどんな力を付けさせたいのかということを、パパやママがある程度理解していることが大切です。
その上で教具を選ぶことで、より効果の高い教育につなげることができます。
それでは、モンテッソーリ教育の教具を選ぶときに大切なポイントについていくつかお話しますね。
お子さんの年齢や興味(敏感期)に合った教具を選ぶ
教具によっては細かいものもあります。とくに小さなお子さんのときは、口に入れてしまうことも考えられるので、そうした注意も必要ですね。
年齢によって成長しやすい分野があるので、教具に示されている適応年齢を参考にしましょう。
お子さんのどんな成長を期待するのかイメージしておく
5つの領域について説明しましが、普段のお子さんの様子をみながら、どの領域を成長させたいのか、ある程度イメージをもっておいてから教具を選ぶといいですね。
いろんな教具があるので、つい目移りしてしまうので。
教具の置き場所を考えておく
モンテッソーリ幼稚園の様子をみたことがある方は、教具が使いやすいように整理された環境に驚くのではないでしょうか。
子どもの身長、動き、思いを考えた上で配置された教具は、本当に美しさを感じることがあります。
家庭では、そこまでできなくても、既存の棚をうまく活用して、モンテッソーリ教具の良さを生かせるといいですね
モンテッソーリ用の棚については、その選び方のポイントやおすすめの棚をまとめたこの記事をぜひ参考にしてくださいね。
5つの領域ごとの具体的な教具
前置きが長くなってしまいましたが、モンテッソーリの教具を「5つの領域」ごとにいくつかご紹介したいと思います。
日常生活の練習
●「ボタンフレーム」という教具で、モンテッソーリ教育発祥の地イタリアで100年あいされているGAMA社というところの品物です。
家庭で使うには高価なのですが、AMI(国際モンテッソーリ協会)も認定している品物で、本格的な教具をみていただきたいと思いってご紹介しました。もちろん、家庭で手作りしてみるのもおすすめです。
●「靴ひも結び」の知育教具です。2歳〜
●ボタンかけやひも結び、ファスナーなどの練習ができる教具です。2歳〜
感覚教育
●視覚の発達を促す「桃色の塔」という教具です。太さ(大きさ)の違いを知るとともに、大きさの順番に並べたのハーモニーの感覚を印象付ける教具です。
●「はめこみ円柱」という教具で、量の感覚を養う教具です。
●モンテッソーリ教育では「音感ベル」という教具を使うのですが、専用の教具は非常に高価なので、ここでは比較的購入しやすい価格の「ミュージックベル」をご紹介しています。
あまり安いものだと、音のズレなどがあるためお気をつけくださいね。
言語教育
●「なぞり文字」指でなぞることで、筆順を体で覚える教具です。
●「文字スタンプ」ひらがなのスタンプです。子どもはスタンプを押すのが大好き。
●「ひらがなポスター」壁にひらがなのポスターが貼ってあるだけで、子どもたちの言語活動は豊かになります。
算数教育
●「算数棒」という教具で、モンテッソーリ教育ではとてもポピュラーなものです。
●「色ビーズ」数の概念を学ぶために使われる教具です。1〜9までのビーズ・バーと箱がセットになっています。
●「掛け算 割り算板」ボードとビーズを使いながら、掛け算や割り算を具体的に理解していく教具です。
文化教育
●「世界地図パズル」パズルを操作する感覚をとおして、国々の位置関係など地理的な感覚を養うことができます。
●「世界の国旗」色とりどりの国旗は子どもたちの視覚を刺激しながら、世界の国々への知識を身につけることができます。
●「動物カード」たくさんの動物カードは世界の動物への好奇心を与えるとともに、子どもの語彙を豊かに育んでくれます。
まとめ
今回の記事では、モンテッソーリ教育の5つの領域ごとに代表的な教具をご紹介しました。
モンテッソーリ幼稚園などで使われている、本格的なものはかなり高価なものが多いので、家庭で気軽に使えるように、できるだけコスパのいいものを選んでご紹介しています。
工夫次第では、家庭でも手作りできるものもあります。
手作り教材に興味のある方は、ぜひこちらの本を参考にしてみてください。
著者の相良敦子先生は、日本でのモンテッソーリ教育の第一人者とも言われている方です。
コメント